子どものアレルギー検査|検査の種類・何が分かる?小児科・アレルギー専門医が解説|下北沢小児科・アレルギークリニック|東北沢駅・池ノ上駅・新代田駅近くの小児科・アレルギー科

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子どものアレルギー検査|検査の種類・何が分かる?小児科・アレルギー専門医が解説

子どものアレルギー検査|検査の種類・何が分かる?小児科・アレルギー専門医が解説|下北沢小児科・アレルギークリニック|東北沢駅・池ノ上駅・新代田駅近くの小児科・アレルギー科

「離乳食を食べたら口のまわりが赤くなった」「春・秋になると、目のかゆみや鼻水がでる」「一年中鼻がつまっている」こうした症状があると、「もしかしてアレルギーでは?」「アレルギー検査を受けたほうがいいのかな」と心配になる保護者の方もいらっしゃると思います。

子どものアレルギー検査は、出ている症状の原因を推測することはできますが、検査のみで症状の原因を突き止めれるものではないですし、「とりあえず受ければ安心」「たくさん調べれば原因がすべてわかる」といったものでもありません。

この記事では、子どものアレルギー検査の種類や血液検査で分かること、その限界、検査を受ける時期や考え方について、小児科・アレルギー専門医の立場から説明します。

子どものアレルギー検査、どんなときに行う?

子どものアレルギー検査は、なにも症状がないのに「何かアレルギーを持っているか」確認するために行うものではありません。アレルギーを疑う症状がある時に、特定の原因がその症状を起こしている可能性があるかを調べるために検査を検討します。

たとえば、次のような場合に検査を行うことがあります。

  • ・特定の食べ物を食べた後に症状が出たとき
    食後にじんましんや、のどの違和感、嘔吐、呼吸苦などの症状が見られた場合。

  • ・湿疹やアトピー性皮膚炎がなかなか良くならないとき
    スキンケアや軟膏治療を行っているのに湿疹悪化し、特定の原因(食べ物、ホコリ、ペットの毛など)が影響している可能性がある場合。

  • ・鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどが続いているとき
    透明なサラサラとした鼻水や目のかゆみが続いたり、特定の季節・場所でその症状が悪化する場合。

ただし、「上記のような症状があれば必ず血液検査が必要」というわけではありません。小児科では、いつ・どんな状況で・どのような症状が出たのかという経過を詳しく確認し、診察を行ったうえで、検査が必要かどうかを判断します。

子どものアレルギー検査にはどんな種類がある?

アレルギー検査にはいくつかの種類があり、症状、年齢、目的に応じてい選びます。

  • ・血液検査
    アレルギー反応に関わる抗体(特異的IgE抗体)が血液中にどれくらいあるかを調べます。検査法もいくつかあります。

  • ・皮膚検査(プリックテストなど)
    アレルギーの原因物質(アレルゲン)と皮膚の反応を見ます。プリックテストではアレルゲンのついた針で皮膚に小さな傷をつけ、皮膚の反応を確認します。

  • ・食物経口負荷試験
    食物アレルギーが疑われる食べ物を実際に食べて、症状が出るか確認する検査です。食物アレルギーの診断や、除去を解除できるか判断する際に行います。

血液検査では何が分かる?

血液検査では、IgE抗体というものを調べます。

  • ・特異的IgE抗体
    卵、牛乳、小麦、ダニ、スギ花粉など、特定のアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対して体が反応して出てくる物質です。IgEが確認されると体がそのアレルゲンに反応してIgEを出す(感作されている)ことが分かります。

  • ・総IgE
    血液中の特異的IgE抗体全体の量を調べます、アレルギー体質の傾向があるかどうかの目安に使われます。

ここで非常に重要なことが、「特異的IgE抗体が陽性(数値が高い)」と「その物質でアレルギー症状が起こる」は、必ずしも一致しないということです。

特異的IgE抗体はアレルゲンへの感作を見ているもので、「感作されている=アレルギー症状」ではありません。血液検査で陽性反応が出ても、実際には症状なく食べられることも(無症候性感作)は多いですし、逆に検査数値が低いからといって完全にアレルギーを否定できるわけではありません。

そのため、血液検査のみで診断することは間違った診断につながってしまう可能性も高く、「実際に食べた時(アレルゲンに触れた時)の症状」「日頃の経過」などの問診を詳細に聞きながら診断していくことが不可欠です。

アレルギー検査は何歳からできる?

「アレルギー検査は何歳からできますか?」という質問をよくいただきます。「何歳以上でなければ検査ができない」という一定のルールはありませんが、次のような点を考慮しながら検査の必要性を判断しています。

・採血以外に診断の方法がないか

・採血に伴うお子さんへの負担

・採血を行うことで、治療方針に変更が起きるか

乳幼児では、採血自体が負担になってしまう事もあります。その負担も考慮して、採血以外に診断する方法はないか、たとえばアレルギー症状が軽ければ、何度か同じ量を食べてみて繰り返すことから診断することもあります。また、食物アレルギーの症状が強く、明らかに新しく食べたものが原因である場合には、あえて血液検査をする必要はなく診断することも可能です。

だからこそ、年齢だけで採血するしないを決めるのではなく、「いま検査をすることがお子さんの診断や治療、これからの生活にメリットがあるか」を考えることが大切です。

アレルギー検査「陽性ならアレルギー」とは限らない

アレルギー検査の解釈において、最も誤解が生じやすいのが「検査結果の読み方」です。

繰り返しになりますが、以下の2つは意味が異なります。

  1. 血液検査で特異的IgE抗体が陽性である(体内に抗体がある)

  2. 実際にその物質に対してアレルギーを持っている(症状が出る)

血液検査で陽性が出たからといって、その物質(食べ物、花粉、ほこりなど)に対してアレルギー症状が出る証明にはなりません。

このことを知らない医師も多く、赤ちゃんの皮膚症状から血液検査、食物アレルギーを診断しているケースも少なくありません。必要のない食べ物除去を行ってしまうと、お子さんの成長に必要な栄養バランスを損ねるだけではなく、食生活の制限からご家族にも必要のない負担がかかってしまいます。

また、春先に鼻水が出るから受診、血液検査でスギ花粉が陽性で花粉症の診断、しかし、治療に効果がなく実は副鼻腔炎だったなんてケースも良く経験します。

血液検査だけから診断するのではなく、実際にその物質に接した時の症状やこれまでの経過など総合的に判断することが大切です。

一度にたくさん調べるアレルギー検査は必要?

近年では、指先からの少量採血で30〜40項目以上のアレルゲンを同時に測定できる「少量の血液による多項目アレルギー検査」が普及しています。

一度に多くのアレルゲンを確認できる検査には、「網羅的にチェックできる」「採血の負担を軽減できる」といったメリットがありますが、「調べる項目数が多ければ多いほど、優れたアレルギー検査である」とは限りません。

まずお伝えしたいのが、血液検査の方法にも何通りかあり、一般的にアレルギー専門医が診断に使うのはCAP-RAST法という検査法で、「少量の血液による多項目アレルギー検査」はこのCAP-RAST法を用いた検査法ではないということです。検査法が異なるとその結果の解釈も異なりますし、その検査結果がどれくらい正確か(陽性的中率)も異なります。専門医がCAP-RAST法を使用しているのは、この検査法が昔から広く使われている検査法で結果の解釈の仕方も広まっており、陽性的中率に関しても色々な研究がなされているからです。

多項目を一度に調べた場合、その結果についてきちんと評価しないと、「思いもよらない項目で陽性反応が出てしまい、必要のない除去につながってしまう」という事にもなりえます。大切なのは検査した項目一つ一つに対して、それが本当にアレルギーなのかを検査してもらった医師と相談して診断をしていくことです。

当院が個別の項目選択による検査を中心にしている理由

「網羅的にチェックできる」「採血の負担を軽減できる」といったメリットもある多項目一括検査ですが、当院(下北沢小児科・アレルギークリニック)では、多項目一括検査ではなく、項目を絞り込む検査を中心に実施しています。

これは、採血することで子どもたちに負担をかけるのであれば、これまで広く使われていて、結果に関しても信頼性が確保されている検査を行い、きちんとした治療方針をご家族にお伝えしたいという「当院のアレルギー診療の方針」に基づく選択です。

当院では、アレルギー診療を行う際、以下のステップを重視しています。

  1. 丁寧な問診
    「いつ、何を、どれくらい食べたか」「どんな症状が、どれくらい続いたか」「症状が出た時の環境(家か外か?天気は?)」などをお伺いします。

  2. アレルギーの可能性のある物質を提案
    皮膚の状態をはじめ全身症状を確認し、「原因となっている可能性が高い物質は何か」を推測します。

  3. 必要な検査項目の絞り込み
    アレルギーの可能性があるものに関して検査を行い、その結果に基づいて今後の治療、注意点を提案させていただきます。

広範囲の項目を一律に測定するスクリーニングを行うよりも、症状の経過に合わせた項目をピンポイントで調べる方が、結果が出た際にお子さんや保護者の方へ「何が原因で、どう対応すべきか」をより明確かつ正確に説明できると考えています。

特に花粉症では「丁寧な問診」のステップはとても大切です。春先に鼻水が出ているからと言って花粉症とは限らず、副鼻腔炎の可能性もあります。花粉症は毎年のことになりますし、お子さんに長期に薬を使用するのであれば、きちんとした診断は不可欠と考えています。

【花粉症と副鼻腔炎】

子どものアレルギー検査では「何を調べるか」「結果をどう評価するか」が大切

子どものアレルギー検査において「何を調べるか」は症状や疾患によって異なります。

  • 食物アレルギーを疑う場合
    症状を引き起こした可能性がある食材を中心に調べます。無関係な食品まで幅広く調べてしまうと陽性反応が出た時に混乱と不安が生まれてしまうため、これまで食べて症状が出ていない食材の検査はおすすめしていません。

  • アレルギー性鼻炎・花粉症を疑う場合
    季節性(スギ、ヒノキなど)や通年性(ダニ、ハウスダストなど)、お子さんが過ごす環境に合わせて対象をしぼります。また、夏の花粉、秋の花粉による花粉症の患者さんも増えてきており、問診で可能性がある場合には、花粉中心に検査を絞り込みます。

  • アトピー性皮膚炎がある場合
    汗や乾燥といった刺激で悪化することが多く、血液検査で原因を調べて除去すれば良くなるケースばかりではありません。スキンケアや外用薬による治療を優先しつつ、治療抵抗性がある場合や離乳食開始時期、特定の環境(ペットとの触れ合いなど)で悪化する場合には検査項目を厳選します。

全員に同じ検査セットを行うのではなく、お子さん一人ひとりの「症状・年齢・これまでの経過」を踏まえて、必要な項目のみ検査を行うのが、きちんとした診断への近道です。

また、どんな検査を行っても、医師がその内容をきちんと判定できなければ意味がありません。アレルギー疾患の診療ではきちんとした診断は不可欠です。検査結果の判定やアレルギー疾患の診断・治療を多く経験しているアレルギー専門医にぜひご相談ください。

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よくあるご質問(Q&A)

Q1 .子どものアレルギー検査は何歳からできますか?

A.一律の年齢制限はありません。乳幼児であっても必要性が高ければ実施します。ただし、お子さんへの負担も考慮し、血液検査以外の診断方法がある場合には血液検査を行わずに診断することもあります。

Q2. アレルギー検査で陽性だったら、その食べ物は食べられませんか?

A.必ずしも食べられないわけではありません。血液検査で陽性であっても、それのみでアレルギーを持っているという証明にはなりません。問題なく食べられるケースはたくさんあります。

Q3. アレルギー検査では、できるだけたくさん調べたほうがよいですか?

A.たくさん調べればよいというわけではありません。多くの項目を調べると、症状とは無関係な物質に関しても判断しなければならず、診断がぶれてしまうことがあります。

Q4. 少量の血液で一括して調べられるアレルギー検査はおすすめですか?

A.「子どもへの負担が少ない」「たくさんの項目を調べられる」といったメリットはありますが、一般的にアレルギー専門医が診断に使うCAP-RAST法とは異なる検査法です。「きちんと診断したい」「スクリーニング的にたくさん調べたい」など、目的によって検査法選ぶことが大切です。

まとめ

子どものアレルギー検査は、多くを調べれば安心というものではありません。大切なのは、「お子さんの症状や経過から検査方法を考え、必要な項目を選択し、その結果を治療効果と合わせて正しく判断すること」です。

春の鼻水=花粉症ではありません、どんな鼻水か、どんな時に症状がひどくなるかなどを含めて診断することが大切です。花粉症の薬を飲んでいるけど治らないとのご相談を多くいただきますが、そのほとんどが血液検査のみで診断されています。

「アレルギー検査を受けたほうがよいのかな」「どの項目を調べればいいのだろう」と迷われる場合は、まずはアレルギー専門医にご相談ください。

 
【当院アレルギー科について】

監修者情報

最終更新日:2026年10月10日
監修:下北沢小児科・アレルギークリニック 院長 長尾 竜兵

下北沢小児科・アレルギークリニック院長 長尾 竜兵

監修者

下北沢小児科・アレルギークリニック

院長 長尾 竜兵(ながお りゅうへい)

保有資格

  • 日本小児科学会認定 小児科専門医・指導医
  • 日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
  • 医学博士

2002年に東京医科大学小児科学講座に入局後、日本赤十字医療センター新生児科や東京医科大学八王子医療センター・茨城医療センターなどでの勤務を経て、20年以上にわたり小児科・アレルギー科の臨床経験を積む。2024年9月より下北沢小児科・アレルギークリニック院長。

子どもたちやご家族とのコミュニケーションを大切にし、親身に耳を傾けながら、お子さん一人ひとりにとって最善の医療をご提案しています。

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