フルミストはおすすめ?注射との違い・向いている子・注意点を小児科医が解説|下北沢小児科・アレルギークリニック|東北沢駅・池ノ上駅・新代田駅近くの小児科・アレルギー科

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フルミストはおすすめ?注射との違い・向いている子・注意点を小児科医が解説

フルミストはおすすめ?注射との違い・向いている子・注意点を小児科医が解説|下北沢小児科・アレルギークリニック|東北沢駅・池ノ上駅・新代田駅近くの小児科・アレルギー科

「インフルエンザの注射を怖がって泣いてしまう」「できれば痛くない方法で接種してあげたい」——毎年インフルエンザ予防接種の時期に悩む保護者の方は少なくありません。

そんな中で話題になっているのが、鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチン「フルミスト」です。針を使わないため痛みがっまたくなく、関心を持つご家庭が増え2025年シーズンは全国的に品不足となりました。

フルミストは単純にこれまでのワクチンが鼻スプレーになったわけではなく、フルミストと従来の注射ワクチンにはそれぞれ特徴・違いがあり、お子さんの年齢、喘息などの持病の有無、注射への苦手意識などを踏まえて選ぶことが大切です。

この記事では、フルミストと注射の特徴・違い、向いている子・注意が必要なケースについて小児科医の視点から解説します。

フルミストとは?

フルミスト(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン)は、鼻の中にスプレーして免疫をつけるワクチンです。

従来の注射のワクチン(不活化ワクチン)とは大きく異なり、針を一切使用しません。日本国内では2024/25シーズンより正式に承認され、接種がはじまっています。

  • 対象年齢: 2歳以上19歳未満

  • 接種方法: 左右の鼻腔に0.1mLずつ、計0.2mLをスプレー

  • 接種回数: 1シーズンに1回

フルミストは注射ワクチンとは異なる「弱毒生ワクチン」と呼ばれる種類のワクチンで、病原性を極限まで弱めたインフルエンザウイルスを使用しています。鼻の粘膜にワクチンを吹き付けることで、インフルエンザウイルスが侵入する入り口に防御壁をつくって、インフルエンザウイルスの侵入を防ぎながら免疫を獲得するイメージです。

フルミストと注射ワクチン、子どもにはどちらがおすすめ?

「フルミストと注射、どちらの方が効果が高いですか?」というご質問を、保護者の方から多くいただきます。

結論からお伝えすると、どちらか一方が明らかに優れているわけではありません。日本小児科学会でも、2歳以上19歳未満のお子さんについて、従来の注射(不活化ワクチン)とフルミスト(経鼻弱毒生ワクチン)、どちらか一方を強くすすめるのではなく、どちらも特徴が異なり、同等の選択肢としてます。

両者の違いを比べてみると。

比較項目 フルミスト 従来の注射ワクチン
接種方法 鼻腔内へのスプレー 皮下注射
対象年齢 2歳以上19歳未満 生後6ヶ月以上(全年齢)
13歳未満の回数 1回 2回
痛み・刺激 針の痛みはない(鼻に液が入る刺激感あり) 針を刺す痛み・薬液が入る痛みあり
ワクチンの種類 弱毒生ワクチン 不活化ワクチン
主な副反応 鼻水、鼻づまり、咳、発熱など 接種部位の腫れ・赤み・痛み、発熱など
予防効果持続 6ヶ月~1年 約5か月

フルミストのメリットは「痛みがない」「1回で済む」こと

フルミスト最大のメリットは、注射針を刺す痛みがないことです。予防接種を受けてほしいけど、泣いている姿もかわいそうと感じているご家庭には大きな助けになります。

もうひとつのメリットは、13歳未満のお子さんが従来の注射ワクチンを受ける場合、2〜4週間の間隔をあけてワンシーズンに計2回の接種をうける必要があります。一方、フルミストは年齢を問わず1シーズン1回で完了するので、忙しくて2回もクリニックに予防接種に通院するのが大変なご家庭では、通院回数を減らせるメリットもあります。

フルミストと注射ワクチン、どちらの予防効果が高い?

「フルミストのほうが予防効果が高い」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、現在の医学的見解では、フルミストと注射ワクチンで予防効果に明確な差はないとされています。

実際に厚労省や日本小児科学会の報告でも
注射と経鼻ワクチンでは効果に明らかな違いはないとされています
経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方
小児に対するインフルエンザワクチンについて

フルミストは鼻の粘膜(ウイルスの侵入口)に直接ワクチンが働きかけるため、理論上は自然感染に近い予防効果が期待されてます。しかし、フルミストの使用が始まってから、注射ワクチンより予防効果が明らかに優れているとの報告はまだなく。

そのため、「予防効果が高いから」という理由だけでフルミストを選ぶ必要はないと思います。

フルミストはどんな子どもに向いている?

当院では次のようなお子さんやご家庭にとって、フルミストが良い選択肢になると考えています。

  • 注射への恐怖心・苦手意識が強いお子さん

  • 注射の痛みで暴れてしまい、安全な接種が難しいお子さん

  • 13歳未満で、2回の通院・接種スケジュールを組むのが難しい

ただし、「痛くない=すべてのお子さんにとって楽」とは限りません。

フルミストは鼻の穴にスプレーするタイプの予防接種です。「鼻に液を吹き込まれるのが苦手」「鼻水・鼻づまりの検査を嫌がる」というお子さんの場合、フルミストをスプレーされる事への恐怖心が出てしまい、暴れてうまく鼻の中にスプレーできないこともあります。お子さんとお話ししてみて鼻スプレーと注射、どちらならがんばれそうか相談してみるのも良いのかなと思います。

フルミストを受ける前に知っておきたい注意点

安全性に配慮されたワクチンですが、生ワクチンという性質上、持病によっては注意が必要な場合や、接種を受けられない場合もあります。

喘息があるお子さん

日本小児科学会の指針では、気管支喘息のあるお子さんには従来の注射(不活化ワクチン)を推奨しています。フルミストの成分によって、喘息発作が誘発される可能性があるためです。当院では喘息治療中であっても、きちんとコントロールされていれば、まったく問題なくフルミストが使用できており、喘息で通院中であっても、喘息発作を繰り返していなければ問題ないと考えています。

免疫不全・免疫抑制状態のお子さん

重度の免疫不全があるお子さんや、ステロイドの長期内服・免疫抑制剤などで免疫力を抑える治療を受けているお子さんは、生ワクチンであるフルミストを受けることができません。注射ワクチン(不活化ワクチン)であれば問題なく受けていただけます。

川崎病の治療薬・アスピリンを飲んでいるお子さん

川崎病の治療としてアスピリンというお薬を使います。このアスピリンを飲んでいるお子さんがインフルエンザにかかるとライ症候群とよばれる病気を発症することがあります。フルミストは弱らせたインフルエンザウイルスを使用したワクチンのため、アスピリンを飲んでいるお子さんは、注意が必要です。

アレルギーがある場合

卵アレルギーやゼラチンアレルギー、過去にワクチンで強いアレルギー反応を起こしたことがあるお子さんは注意が必要です。「アレルギーがあるから絶対に受けられない」というわけではありませんが、事前にかかりつけの先生に相談しておくと安心です。

ご家族に免疫不全の方がいる場合

フルミストは接種後に体内で増えた極めて弱いワクチンウイルスが鼻水などを介して周囲へ排出される可能性があります。ご家族に重度の免疫不全をお持ちの方がいる場合は、家庭内での感染リスクを避けるため、注射を選択するのが安全です。

フルミストの副反応は?

フルミストは弱毒化したインフルエンザウイルスを鼻の粘膜で増殖させるため、軽いインフルエンザにかかったような症状が出ることがあります。

  • よく見られる症状: 鼻水、鼻づまり、咳、のどの痛み、頭痛

  • その他の副反応: 発熱、食欲低下、倦怠感

これらの症状はほとんどのお子さんで軽度であり、接種後数日で自然と治まります。副反応で鼻水が出たからといって、本当にインフルエンザを発症したわけではありませんので安心してください。ただし、高熱が続く場合や倦怠感が強い場合は、他の風邪を併発している可能性もあるため、小児科を受診してみてください。

結局、フルミストと注射はどう選べばいい?

どちらを選ぶべきか、目安をまとめてみました。

お子さん・ご家庭の状況 推奨されるワクチン
注射がどうしても苦手(2歳以上) フルミスト
通院回数を1回で済ませたい(2歳〜12歳) フルミスト
2歳未満(生後6ヶ月〜1歳) 注射ワクチン
気管支喘息の発作を繰り返している 注射ワクチン
本人または同居家族に免疫不全の方がいる 注射ワクチン
鼻に入る刺激やスプレーが苦手 注射ワクチン
なるべく長く予防したい フルミスト

また、もともとのワクチンの値段が高額なため、注射ワクチンに比べるとフルミストは高額となってしまいます。
迷われた場合には、ぜひかかりつけの小児科医にご相談ください。お子さんの普段の健康状態や予防接種の様子をふまえて、最適なワクチンを一緒に考えてくれます。

よくあるご質問(Q&A)

Q1. フルミストは何歳から子どもが受けられますか?

A. 日本国内で承認されている対象年齢は2歳以上19歳未満です。2歳未満のお子さんは従来の注射ワクチンをお選びください。

Q2. フルミストは1回でいいですか?

A. はい、13歳未満のお子さんであっても、1シーズン1回の接種で完了します。

Q3. フルミストと注射はどちらが効果がありますか?

A. 両者の予防効果に明確な差はないとされています。効果の差ではなく、注射への苦手意識、持病(喘息・アレルギーなど)、通院回数などでお選びいただくのがよいと思います。

Q4. 喘息がある子どもでもフルミストを受けられますか?

A. 日本小児科学会の指針では、喘息発作を誘発するリスクを考慮し、喘息のあるお子さんには従来の注射(不活化ワクチン)が推奨されています。当院では普段の喘息の様子をお聞きして、落ち着いている方にはフルミストの接種を行っています。

Q5. 鼻水が出ている時にフルミストを受けても大丈夫ですか?

A. ワクチンの成分が鼻の中に広がるので、軽い鼻水程度であれば問題ありませんが、鼻づまりがひどい場合や多量の鼻水が出ている場合は、十分な免疫がつかない可能性もあります。当日の鼻の状態を医師に確認してもらってください。

下北沢小児科・アレルギークリニックのご案内

当院(世田谷区 下北沢)では、お子さんたちの予防接種へのハードルを少しでも下げれるよう、従来の注射ワクチンに加えてフルミスト(経鼻インフルエンザワクチン)の接種も行っています

「喘息気味だけど受けられる?」「卵アレルギーがある」といった不安・疑問にも、小児科・アレルギー科の専門医として丁寧にお答えしています。お気軽にご相談ください。

【内部リンク:フルミスト®:注射じゃないインフルエンザワクチン】

また、予防接種と風邪のお子さんでは入り口から待合室・診察室も分けているため、診療時間中いつでも、風邪をもらう心配なく予防接種を受けていただけます。

お子さん一人ひとりに合わせたワクチン選びをご提案しております。「うちの子はどちらがいいの?」という段階でのご相談も歓迎です。

2026年シーズンの接種スケジュール、世田谷区の助成制度、予約状況につきましては、下記より最新の案内ページをご確認の上、ご予約ください。

>>【2026年 インフルエンザ予防接種、最新のご案内はこちら】

記事の執筆・監修
下北沢小児科・アレルギークリニック院長
長尾 竜兵
日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医

当院では小児科、アレルギー科だけではなく小児耳鼻科、小児皮膚科の診断・治療にも対応しています。
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