小児科

小児科は子どもの多様な疾患に対応する診療科です。子どもの病気は大人とは異なる点がおおく、日ごろから子どもの体調や平熱、顔色などを観察することが大切です。親御さんの「いつもと違う」という直感が、重大な病気の発見につながることもよくあります。お子さんの症状やお困りのことはどんな些細なことでも相談をお受けします。育児相談や予防接種など幅広く対応していますので、お気軽にご来院ください。
小児科医は、子どもたちの体と心の発達を理解し、それに合わせた医療を提供することが求められます。特に、幼児期は体の成長が著しく、学童期には学校生活という新たな環境に適応しなければならないため、それぞれの時期に適したケアが必要です。また、思春期は心身の変化が激しく、精神的なサポートも重要となります。これらの時期ごとの特性を理解し、子どもたちの健康をサポートするためにも、ぜひ小児科専門医にご相談ください。
2歳までにほとんどの人がかかるとされている頻度の高い感染症です。ヒトヘルペスウイルス6型 (HHV-6) もしくはヒトヘルペスウイルス7型 (HHV-7) によって引き起こされ、発熱は3〜4日で自然に治まりますが、解熱後に全身に発疹が多数みられます。一般的に後遺症を残すことは少なく1週間程度で自然治癒する病気ですが、熱が上昇する際に熱性けいれんを発症することもあります。治療法はウイルスへの特効薬はなく、解熱剤など対処療法を行います。
咽頭、目、腸などに感染を起こすウイルスです。急な発熱からはじまることが多く、39〜40℃くらいの高熱が5~7日程度続きます。目の充血、目やにのみであれば「はやり目」、のどの赤みもある場合には「プール熱」とも呼ばれます。初期に熱だけのことも多く、途中から喉の痛みや咳、鼻水が出ることがあります。迅速検査キットを用いて簡単に診断が可能です。治療薬はなく対症療法を行います。
コクサッキーウイルス、エンテロウイルスで起こる病気で、手のひら、足のうら、口の中に水疱ができるのが特徴です。口の中の水泡は、破れて潰瘍になると、刺激のある物を食べるとしみて痛がるようになります。口の中の症状に少し遅れて、手のひら、足のうらなどに米粒くらいの水疱ができます。特効薬はなく自然と治りますが、水分が取れない場合や水泡の嫌みがひどいときには症状にあった治療が必要です。
エンテロウイルスで起こる病気です。夏に流行することが多く、突然の高熱と口内炎が特徴です。38〜40℃の高熱が2~3日続き、のどの奥に小さな水ぶくれができ、痛みで食べることが困難になることもあります。水ぶくれは一週間くらいで治ります。治療は喉の痛みを抑える薬の服用など対症療法を行います。飛沫感染や接触感染で広がるため、予防策としては、手洗いやうがい、個人の食器の使用が重要です。
おもな症状は発熱、咽頭痛、手足やからだの赤い発疹、舌の表面の赤いぶつぶつ(苺舌)などです。治療には抗生物質が効果的であり、抗生剤の種類によって5~10日間処方されます。処方された抗生剤は病気が再発しないためにもきちんと飲み切ってください。抗生剤を飲めば翌日に熱が下がることが多く、24時間後には集団生活が可能です。まれに腎炎を引き起こすことがあるので、抗生剤を飲み始めて3~4週間後に尿検査をします。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、子どもの胃腸炎のほとんどはウイルス感染が原因のため、特効薬はなく、吐き気止めや整腸剤などの対処療法を行います。乳幼児は脱水になりやすいので、嘔吐が続く場合には注意が必要です。血便を認める場合には一部に細菌性が原因のこともあり、抗生物質を使用することもあります。
肺にマイコプラズマという微生物が感染することで起こります。若年者に多く、熱が下がらない、乾いた咳がひどいといった症状が続きますが、比較的元気なことも少なくありません。発疹を伴うこともあります。感染を疑った早い段階でマイコプラズマに効く抗生物質を飲むことが大切です。この抗生剤はにがみが強いため、飲むのを嫌がるお子さんが多いですが、アイス(チョコレート、バニラ)、ココア、練乳などと一緒にすると飲みやすくなります。
RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。感染力が強くほとんどの子どもが1歳までに感染します。一度感染した後も感染をくりかえすことがありますが、一度目の感染に比べると軽い症状で終わることが多いです。症状は風邪症状(熱、咳、鼻汁)で特に鼻汁の症状が目立ちます。乳児が感染した場合、鼻汁のせいで哺乳できない時や、むせこんで吐いてしまう時には注意が必要です。特効薬がなく対処療法を行い、症状が出てから4~7日が症状のピークです。RSウイルス感染症は生後6ヶ月未満の乳児では特に重症化しやすいため、症状が軽くても早めに大きな病院を紹介させていただく場合があります。
感染した場合、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が現れます。診断には迅速キットを用いますが、発熱して時間がたっていない場合(12時間以内)には、上手に診断できないことがあります。 抗インフルエンザ薬には発熱などの症状をやわらげる効果があります。ワクチンを打っていても感染してしまうことがありますが、脳炎、脳症などの重度の合併症を予防する効果があり、インフルエンザワクチンが推奨されています。
りんご病は、パルボウイルスB19によって引き起こされる病気で、頬がレース状に赤くなるのが特徴です。太もも、お尻など皮膚のやわらかいところが赤くなることもあります。感染初期には風邪のような症状が見られ、その後に特徴的な赤い発疹が現れ、診断が可能です。発疹が出るころには感染力がないため集団生活が可能です。妊婦や溶血性貧血を持つ方への感染は注意が必要です。
子どもの転倒などによる頭部外傷は、日常生活の中で遭遇することが多いけがといえます。多くの場合は、様子をみたり、ぶつけた部位を少し冷やすといった対応ですみますが、ぶつけた後24時間は注意深く経過を見ることが大切です。経過で嘔吐が続く、顔色が悪い、意識を失った、けいれんしたなどの症状がある場合には、速やかに医療機関を受診するようにしてください。
手足口病には登園のめやすとなる明確な基準日数は定められておらず、解熱して口の中の水疱の影響がなくなり、普段の食事や水分がとれるようになれば登園できるケースが多いです。ただし園によって独自の登園基準を設けていることもあるので、園にも確認してみてください。当院では診察時に、症状の経過とあわせて登園のタイミングについてもお話ししていますので、判断に迷う場合は受診時にご相談ください。
溶連菌感染症では、処方される抗生剤の種類によって5〜10日間の内服が必要です。抗生剤を飲み始めると翌日には熱が下がることが多く、24時間が経過すれば登園・登校も可能になりますが、症状が良くなったからといって自己判断で内服を中断してしまうと再発のリスクが高まるため、処方された分は最後まで飲みきることが大切です。まれに腎炎を合併することがあるため、当院では服用開始から4週間後を目安に尿検査をお願いしています。
発熱から12時間以内など時間があまり経っていない段階では、体内のウイルス量がまだ少なく、迅速検査で正しく反応が出ないことがあります。そのため受診のタイミングによっては、一度で診断がつかず翌日以降に再検査をお願いする場合があります。12時間以内でも判定できるPCR検査もありますが、検査対象はインフルエンザの重症化リスクが高い方に限られています。当院では発症からの時間や症状の経過、患者さんの状態を詳しくお聞きしたうえで、検査のタイミングをご相談しながら診療を進めています。
RSウイルスは感染力が強く、ほとんどの子どもが1歳までに一度は感染するありふれたウイルスですが、生後6ヶ月未満の赤ちゃんでは重症化しやすいことが分かっています。特に鼻づまりのせいでうまく哺乳できない、むせこんで吐いてしまうといった症状があるときは注意が必要です。当院では、症状が軽くても月齢の低いお子さんの場合には、早めに設備の整った病院をご紹介させていただくことがあります。
突発性発疹は2歳までにほとんどのお子さんがかかるとされる病気で、多くは3〜4日ほどで自然に解熱していきますが、熱が急に上がるタイミングで熱性けいれんを起こすお子さんもいます。特効薬はなく、解熱剤などで様子を見ていく対症療法が基本です。けいれんが起きた場合や、機嫌の悪さが強く水分がとれないときには、当院までご連絡のうえ受診してください。
転倒などによる頭部の打撲は、日常生活の中でよく経験するけがのひとつです。多くの場合はぶつけた部位を少し冷やして安静にする対応で十分ですが、ぶつけてから24時間程度は注意深く様子をみることをおすすめしています。嘔吐が繰り返される、顔色が悪い、意識がぼんやりしている、けいれんが見られるといった様子があれば、時間を問わず速やかに医療機関を受診してください。
マイコプラズマ肺炎に使う抗生剤は独特の苦みがあり、小さなお子さんほど嫌がってしまう傾向があります。アイス(チョコレートやバニラ味)、ココア、練乳などに混ぜていただくと苦みが和らぎ、飲みやすくなることが多いです。感染が疑われる段階で早めに効果のある抗生物質を開始することが大切な病気なので、飲ませ方でお困りの際は遠慮なく診察時にご相談ください。
りんご病は感染初期の風邪のような症状のときに最も感染力が強く、頬が赤くなる特徴的な発疹が出るころにはすでに感染力がほとんどなくなっています。そのため発疹が出てからは登園・登校が可能です。一方で、妊娠中の方や溶血性貧血のある方への感染には注意が必要とされているため、ご家族にそうした方がいる場合は、発疹が出る前の段階でもご相談ください。
どちらもコクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因となる、夏に流行しやすい病気です。ヘルパンギーナは高熱とのどの奥にできる水ぶくれが中心の症状であるのに対し、手足口病は口の中に加えて手のひらや足のうらにも発疹が出るのが特徴です。どちらも特効薬はなく自然に治っていく病気ですが、当院では水分がとれているか、発熱の程度などを確認しながら対症療法を行っています。
子どもの胃腸炎の多くはウイルス感染が原因で、特効薬はなく吐き気止めや整腸剤による対症療法が中心となります。乳幼児は体の水分量に対して失われる水分の割合が大きく、脱水になりやすいため、嘔吐や下痢が続くときは少しずつでもこまめに水分をとらせてあげることが大切です。塩分不足にもなりやすいので当院では経口補水液をおすすめしています。血便がみられる場合には細菌性の胃腸炎の可能性もあり、抗生物質による治療が必要になることもあるため、様子がいつもと違うと感じたら受診をご検討ください。
監修者
下北沢小児科・アレルギークリニック
院長 長尾 竜兵(ながお りゅうへい)
2002年に東京医科大学小児科学講座に入局後、日本赤十字医療センター新生児科や東京医科大学八王子医療センター・茨城医療センターなどでの勤務を経て、20年以上にわたり小児科・アレルギー科の臨床経験を積む。2024年9月より下北沢小児科・アレルギークリニック院長。
子どもたちやご家族とのコミュニケーションを大切にし、親身に耳を傾けながら、お子さん一人ひとりにとって最善の医療をご提案しています。