
「突然、赤いボツボツが出てきた」「かゆがっているけど、これはじんましん?」「食べものアレルギーが原因?」——お子さんの皮膚に急な変化が起きると、保護者の方は、驚き、心配になると思います。
子どものじんましんは小児科・皮膚科の診療でよく見られる症状のひとつですが、その原因や対処法、受診のタイミングなどについて誤解されやすい点もあります。
この記事では、子どものじんましんの特徴、考えられる原因、ご家庭でできる対応について、小児科・アレルギー科専門医目線でお伝えしたいと思います。
子どものじんましんとは?どんな症状が出る?
じんましん(蕁麻疹)は、皮膚の一部が赤く盛り上がり(膨疹)、強いかゆみを伴う皮膚の反応です。蚊に刺されたようなぷっくりとした盛り上がりが、大きく広がっているのが特徴です。
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・発疹の形や大きさがさまざま: 数ミリ程度の小さなものから、地図状に大きく広がるものまで様々です。
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・数分〜数時間で消える: 発疹は数分から数時間、長くても24時間以内に消えのが特徴です。ただし、別の場所に新しいじんましんが出たり、一度消えたものがふたたび出ることもあります。
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・激しいかゆみ: 強いかゆみを伴います、熱っぽさやチクチクとした痛みのように感じる時もあります。
一度出たら数日間消えない湿疹と違って、出たり消えたりを繰り返す、強いかゆみがあることがじんましんを見分ける手がかりになります。
子どものじんましん、何が原因?食べ物だけではありません
「じんましん=食べ物のアレルギー」とイメージされる方が多いかと思います。実際にじんましんでクリニックを受診される方の多くが何か食べ物アレルギーを発症したのではないかと心配されて受診されます。しかし、子どものじんましんの原因は食べ物だけではありません。感染症や体調不良などさまざまな原因でじんましんがみられます。
主な原因
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感染症・体調不良:風邪や胃腸炎にかかっている時は、その感染症自体がじんましんを起こすこともありますし、風邪による体調不良でじんましんが出ることもよくあります。子どものじんましんでは頻度が高い原因のひとつです。
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食べ物・食品添加物:もちろん食べ物アレルギーでもじんましんをみられます。原因として特定しづらいのは添加物が原因の時です。
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お薬(内服薬・外用薬):じんましんが出る前に、なにか薬を使用している場合には、それが原因となっていることもあります。
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皮膚への刺激:摩擦、寒冷(冷たい空気や水)、日光、温熱(入浴や運動後の体温上昇)、汗などの皮膚への刺激によって引き起こされるものです。
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ストレス・疲労:入学などの環境の変化や寝不足、疲労などもじんましんの原因となることがあります。
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原因不明(特発性):明らかなきっかけが特定できないケースです。子どものじんましんの半分以上がここに含まれるとされています。
子どもの場合、風邪のひき始めや治りかけの時期にじんましんが出現することも少なくありません、じんましんが出たときには、「直前に食べたもの」だけではなく、「ここ数日の体調」「飲んでいる薬」「じんましんが出る時の状況」を含めて考えなおすと、じんましんの原因が分かることがあります。
子どものじんましんは食物アレルギー?
食後にじんましんが出ると「食べ物アレルギーかもしれない」と不安になると思います。じんましんがでた=食物アレルギーとは限らないとお伝えしましたが、もちろん食物アレルギーでもじんましんが出ることがあります。生まれてはじめてあげた食材、いつもより多い量を食べた、いつもと調理法が違った(加熱時間)、ひさしぶりに食べたといった場合には食物アレルギーの可能性が出てきます。また、体調が悪い時に特定の食べ物を食べたことで、じんましんが出てしまう事もあるのでじんましん前に食べた食材について、受診時に伝えるようにしましょう。
食物アレルギーを疑うときに確認しておきたいこと
以下のような場合には食物アレルギーの可能性を考えながら診察を行う必要が出てきます。
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・特定の食品を食べると繰り返しじんましんが出る
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・生まれてはじめての食材でじんましんが出た
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・いつもと調理法が違った(特に卵の加熱時間)
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・じんましん以外にも症状がある(咳、嘔吐、機嫌不良など)
これらに当てはまる場合は、食物アレルギーの可能性を考えてアレルギーに詳しい小児科・皮膚科で相談していただくとよいと思います。
アレルギー検査をすれば原因が分かる?
「原因を知りたいからアレルギー検査をしてほしい」というご相談をよくいただきます。
しかし、血液検査などのアレルギー検査を行えば必ずじんましんの原因が分かるというわけではありません。お伝えしたように子どものじんましんの多くは、感染症や体調不良、皮膚への刺激が原因となることがあります。また、原因が特定できない特発性のじんましんも多いためです。
アレルギー検査は、じんましんの出るタイミングやこれまでの食事歴など詳細な問診を行ったうえで、疑わしいアレルギーの原因(食事、ペットの毛、ホコリなど)がある場合におすすめしています。気軽に血液検査を行ってしまうと、何らかの食材に血液検査で反応があった場合、それが本当にじんましんの原因なのかわからないまま食材が除去されてしまう、間違った除去が行われてしまう可能性が出てきます。
子どもにじんましんが出たとき、家庭ではどうする?
お子さんにじんましんが出た時は、まず落ち着いて、以下の点を確認し、対処してみてください。
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全身状態を観察する:じんましん以外の症状はないか。受け答えはしっかりしているか、息苦しさはないか、気持ち悪さはないか確認してください。じんましん以外の症状がある場合には、早めに病院を受診するようにしましょう。特に意識がない、息苦しい、何度も吐く場合には注意が必要です。
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冷やしてかゆみを和らげる:じんましん以外の症状がない場合には、冷たいタオルなどで患部を冷やすとじんましんがやわらぎます。(※寒さが原因ででるじんましんもあるので、様子を見ながら実施してください)
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体を温めない:冷やすことでじんましんがやわらいだ場合、体が温まると再びじんましんが出ることがあります。入浴はぬるめのシャワー程度に、また運動は避けましょう。
- 経過を記録しておく:じんましんが出た日のお子さんの状況(風邪気味、疲れていたなど)、原因の可能性がある食べもの・薬、じんましんの経過などをメモしておきましょう。
受診前に写真を撮っておくと役立ちます
じんましんは、経過とともに消えてしまう事が多く、受診の時にじんましんが消えていると、出ていたのがじんましんだったのか悩むケースも少なくありません。発疹が強く出ている時にスマートフォンなどで写真を撮っておくことと、受診の際に実際の湿疹を確認でき、スムーズな診断に役立ちます。
子どものじんましんは病院に行くべき?受診の目安
小児科・皮膚科へ一度相談しておいた方がよいケース
以下のような状況であれば、通常の診療時間にアレルギーに詳しい小児科・皮膚科を受診することをおすすめしています。
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・じんましんを何度も繰り返している
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・かゆみが強くて眠れない
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・じんましんが数日間消えない
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・特定の食べ物や薬を使った後に症状が出る
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・原因が分からず、不安に感じている
なにか不安があれば、まずはご受診、ご相談していただく方がよいと思います。医療機関では、アレルギー症状を抑えるための抗アレルギー薬の処方や、原因の相談、今後の対応のアドバイスをさせていただきます。
じんましん以外の症状がある場合は注意
じんましんに加えて、以下のような症状がある場合は、アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応を起こしている可能性があります。この場合は、迷わず医療機関に相談し、必要に応じて救急受診をしてください。
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・呼吸器の症状: 息が苦しそう、ゼーゼー・ヒューヒューしている、激しい咳が出る
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・消化器の症状: 繰り返し吐く、強いお腹の痛み
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・全身の症状: ぐったりしている、顔色が悪い、呼びかけへの反応がとぼしい、意識がうとうとしている
救急受診をしてアナフィラキシーの診断を受けた場合には、後日早めにかかりつけ小児科で相談しましょう。アナフィラキシー対策のお薬を処方してもらえると思います。
子どものじんましんを繰り返すときは?
一度でたじんましんが、数週間以上(ガイドラインでは6週間)にわたって出たり消えたりを繰り返す慢性じんましんもあります。慢性じんましんの場合には、まずはじんましんを抑える薬を見つけることから始まります。じんましんを抑える薬が決まったら、1~3ヶ月は薬を飲み続けます。
その間にじんましんの再発がないようであれば、少しづつお薬を減らしていき、中止に向かいます。「原因が分からない=治らない」ではありません。アレルギーに詳しい小児科・皮膚科を受診し、適切な治療を受けながら経過を見ていくことが大切です。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 子どものじんましんは食物アレルギーが原因ですか?
A. 食物アレルギーが原因となることもありますが、それだけではありません。風邪や体調不良、摩擦や温度変化といった刺激、疲れやストレスが原因となることもあります。
Q2. 子どものじんましんは何日くらいで治りますか?
A. 一度出たじんましんは数分〜数時間以内に消えることが多いです。ただし、その原因によっては、風邪が治るまで、体調が回復するまで数日〜1週間程度出たり消えたりすることもあります。
Q3. じんましんが出たらアレルギー検査を受けたほうがいいですか?
A. 感染症や体調不良に伴う一時的なじんましんが多いので、必ずしも全員が検査を受ける必要はありません。明らかにあやしい原因がある(食べ物、ペットの毛など)場合には、原因を改善してじんましんの繰り返しを防ぐ目的で検査をおすすめしています。
Q4. じんましんだけなら救急受診が必要ですか?
A. 発疹やかゆみだけで、お子さんの機嫌が良く、呼吸や全身状態に問題がなければ、基本的には夜間救急を受診する必要はないと考えます、患部をよく冷やしてあげて、眠れるようであれば、翌日の通常診療時間内に相談していただければと思います。ただし、息苦しさ、嘔吐を繰り返す、ぐったりしている等の症状が伴う場合は緊急受診が必要です。
まとめ
子どものじんましんは、まず全身の状態を確認しましょう
子どものじんましんについて、大切なポイントを改めてまとめます。
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・じんましんは皮膚が赤く盛り上がり、出たり消えたりを繰り返し、かゆみを伴うのが特徴です。
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・原因は食べ物だけでなく、風邪や体調不良、皮膚への刺激、疲れなど多岐にわたります。
- ・冷えたタオルなどで患部を冷やしてあげると、じんましんが落ち着くことがあります。
- ・息苦しさや嘔吐を繰り返すなど、全身症状を伴う場合は救急への相談が必要です。
- ・受診時にじんましんが消えていることもあるため、発疹の写真を撮っておくと診察に役立ちます。
突然の発疹に驚かれるかと思いますが、まずは落ち着いてお子さんの全身状態を確認してあげてください、じんましんといってもその原因、対処法は様ざまであり、相談の際にはアレルギーに詳しい小児科のご受診をおすすめします。「下北沢小児科・アレルギークリニック」は小児科専門医・アレルギー専門医である医師が診療にあたっています。お困りの際には、お気軽にご相談ください。

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