小児科でよくみられる症状
小児科でよくみられる症状
子どもの発熱の原因として最も多いのはウイルス、細菌などによる感染症です。発熱は体が感染症に対抗する自然な反応で、特に子どもは免疫システムが発達段階にあるため、大人よりも発熱しやすいです。また、感染症以外では川崎病、自己免疫性疾患、予防接種後の反応などで発熱することがあります。
首元、わきの下には太い血管があり、そこを冷やしてあげることで全身が楽になります。氷枕などで冷やしてあげましょう。
発熱すると体から水分が失われやすくなるため、こまめに水分補給をすることが大切です。
発熱で体温が上がっているときは、汗をかきやすくなります。なるべく涼しい格好をして、体温調節を助けることが大切です。
熱で、眠れない、水分がとれないなど、子どもに悪影響がある時には熱さましを使ってあげましょう。
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
38.5℃以上の発熱が3日以上続く場合
微熱が1週間以上続く場合
耳痛、喉の痛み、頭痛、腹痛など、特定の部位に強い痛みがある場合
吐き気、嘔吐、下痢、発疹など
3ヶ月未満の赤ちゃんが38℃以上の熱を出した場合。
咳は空気の通り道(気道)に入ってしまった、細菌やウイルス、分泌物(鼻水、タン)、異物を素早く排除するための体の防御反応です。子どもは大人と比べ、体格が小さく、気道も狭いため、少しの分泌物でも咳が出やすいです。
喉が乾燥すると咳が増えるため、こまめに水分補給をしてください。
乾燥した空気は咳を悪化させます。加湿器を使用して室内の湿度を適切に保つようにしましょう。
長引く咳の症状がある場合には、発熱や痰など他の症状があるか、咳が出やすい時間帯・場所などを確かめることで、原因をある程度絞ることができます。
咳が2週間以上続く場合
特に夜間に咳がひどく、何度も起きてしまう場合
咳をすると胸が痛む場合
息切れ、体重減少など
一般的な風邪の咳は1週間程度で治まることが多いです。それ以上続く場合は、肺炎や喘息など他の病気の可能性があります。
夜間、明け方に咳がひどく、何度も起きてしまう場合は気管支喘息発作をおこしているかもしれません、医療機関で相談してください。
努力呼吸といって筋肉をフル活動させて呼吸している合図です、なるべく早く医療機関に相談・受診してください。
特定の季節(例えばすぎであれば2~5月)に咳が出ることが多い。
ほこりやタバコの煙、ペットの毛などに反応して咳が出る。
可能な限りアレルゲンを避けることが重要です。例えば、ダニアレルギーの場合は、寝具をこまめに洗濯したり、部屋の湿度を適切に保つことが効果的です。布団に入ると咳が出やすいお子さんは、ベッド周囲のぬいぐるみにも注意してください。
アレルギー症状を和らげるための薬(抗ヒスタミン薬やステロイドなど)があります。気管支喘息による咳であれば、発作を止めた後に普段からの予防が大切になってきます。
感染症は、子どもの鼻水の最も一般的な原因です。小学校前のお子さんは特に感染症にかかりやすく、一度風邪が治っても、次の風邪をすぐにもらってしまい、長い期間、鼻水が止まらないことは良く経験します。
季節の変わり目や特定の物質に対するアレルギーも、子どもの鼻水を引き起こす可能性があります。花粉症やダニアレルギーなどが該当します。この時の鼻水は透明でサラサラしているのが特徴です。
冬季や乾燥した環境では、鼻腔が乾燥し、鼻水を引き起こすことがあります。特に、暖房が効いた室内での乾燥は注意が必要です。
子どもの場合、鼻水をすすってしまうことが多いですが、鼻づまり、副鼻腔炎、中耳炎の原因となってしまいます。鼻水はしっかり出すように教えてあげましょう、小さなお子さんで鼻をかめない場合は機械を使って鼻を吸ってあげてください。当院でも鼻吸いができます、ご相談ください。
鼻水を薄くし、鼻詰まりを和らげるため効果的です。特に乾燥が目立つ時には水分を取るようにしましょう。
黄色い鼻水が続き、鼻詰まりがひどいときには、鼻うがいで、鼻腔を清潔に保ち、鼻水を排出することができます。最初は難しいかもしれませんが、慣れると痛みなく洗浄できます。
医療機関では、鼻の粘膜を修復するお薬や鼻水をサラサラにして出しやすくするお薬を使います。また、ネブライザーで鼻の粘膜の炎症を取ったり、感染対策のお薬を使うこともあります。
透明なサラサラした鼻水が続く時にはアレルギーの可能性があります。アレルギーの飲み薬や鼻スプレーを使って治療します。
鼻水が続いてご心配な時にはかかりつけ医に相談してください、特に乳児で鼻水のせいで鼻がつまり、哺乳量が少なくなっている場合や、鼻水がのどに落ちて咳が出て吐いてしまう場合には、早めの受診をおすすめします。
鼻水が多量にでると、それが鼻腔から耳管を通って鼓膜の内側(中耳)へと逆流してしまいます。鼻水の影響で中耳に炎症が起きると中耳炎と呼ばれる状態になります。子どもは鼻の構造上、鼻水が出づらく、鼻をすすってしまうことも多いので、中耳炎になりやすいとされています。
胃腸炎は、胃や腸が炎症を起こす病気で、ウイルスや細菌によって引き起こされます。子どもではほとんどがウイルスが原因であり、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどがあります。また、細菌性の場合には症状が重たくなることがあり、高熱、激しい腹痛、下痢、時に血便がみられます。
嘔吐が始まったら、まずは子どもを安静にさせ、吐き気止めが自宅にあれば使ってあげましょう、飲み薬の場合、吐いたすぐ後に飲ませると刺激で吐いてしまうことがあります、吐いてから30分くらいたってから飲ませてあげてください。
嘔吐により失われた水分と電解質を補うために、少量ずつ頻繁に水分を摂らせてください。最初はペットボトルのキャップくらいの少量から始めて、少しずつ増やしていきましょう。お茶、水だけでは糖分と電解質が不足してしまいます。
嘔吐が止まった後は、食事の量と頻度を調整します。お子さんが欲しがっていなければ、無理に食べさせる必要はありません。糖分が入った水分をあげてください。嘔吐が続く時、腹痛もある時には食事をあげるのはやめておきましょう。かかりつけ医で相談してください。
脱水症状は、体から水分が大量に失われたときに現れます。初期の症状から重度の脱水症状まで、さまざまな症状があります。
脱水症状の初期症状としては、口の乾燥、喉の渇き、尿量の減少などがあります。これらの症状が見られた場合は、すぐに水分補給を始める必要があります。
脱水症状がすすむと、混乱、意識レベルの低下(呼びかけへの反応が乏しい)などの重度の症状が現れます。これらの症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。