子宮頸がんワクチン(以下HPVワクチン)の対象でありながら接種を見送られている方(対象は平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれの女性、1or2回接種して中断された方を含む)に対するキャッチアップ接種(無料のワクチン接種)は、来年3月31日に終了します。その期限までにワクチン接種を完了するためには、今年9月中に少なくとも1回目の接種を受ける必要があります。来年4月以後は、有料(自費で数万円)となりますので、対象となる方は、是非接種を受けてください。
また、キャッチアップ接種制度が始まる前に、HPVワクチンの重要性を認識されて、自費で接種を受けられた方(令和4年4月1日時点で世田谷区に住民票のある、平成9年4月2日~平成17年4月1日生まれの女性)に対する、費用の全額助成制度も、来年3月31日で終了します。その手続きに関しては、世田谷区のHPにありますので、対象の方は、是非手続きを期限までに済ませてください。接種記録が確認できる書類、接種費用の証明書も必要ですので、過去、自費で接種受けられた方は、その医療機関に問い合わせてみてください。
日本では、子宮頸がんの新規患者数が約1万人/年、死亡数が約3千人/年で、年々増加傾向にあります。一般的にがんは中高年以上で増加しますが、子宮頸がんは20代前半の発症もあり、30~40代までの若い女性で増加してきています。HPVワクチンは効果が20年くらい続くとされています。日本より7~8年くらい前にHPVワクチンを導入した欧米やオーストラリアでワクチンの有効性が報告されています。近年、イギリス、スウェーデンなどの国での大規模調査でも、HPVワクチンの接種によって子宮頸がんの罹患数が大幅に減少したとの報告がされています。日本でも子宮頸がんワクチンが導入されていましたが、接種後の気分不快、意識消失などの報告があり、一時期、積極的な接種は控える動きがありました。しかし、その後の研究、報告でワクチン接種とこれらの症状に直接的な因果関係はなく、HPVワクチンは安全に接種できるワクチンと認定されました。
女性だけではなく、公費による男性への接種が開始されている自治体もあり(世田谷区は令和6年10月1日)、子宮頸がんワクチンは国として推奨されるワクチンとなってきています。
接種対象であった方は、この機会に是非接種を検討してみてください。
何かご不明なことがありましたら、遠慮なく当院までお問い合わせください。