春のスギ花粉が終わり、いよいよ夏が来ます
今年のスギ花粉で苦労したお子さんたち
来年のスギ花粉にむけて対策してみませんか?
今回は 「舌下免疫療法」 について、わかりやすくご紹介したいと思います。
どんな治療なの?
一昔前はアレルギーは治らない
食べ物アレルギーがあるならその食材を食べない
アレルギー性鼻炎ならお薬を使う(対症療法)しかありませんでした
しかし、最近の研究でヒトは定期的にアレルギーの原因物質(アレルゲン)を取り入れていると
アレルギーを克服できることが分かってきました
舌下免疫療法とは、アレルゲンを毎日少しずつ舌の下に投与、吸収することで
体に慣れさせ、アレルギーを克服しようとする治療法
続けることで、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状をやわらげたり、出にくくしたりする効果が期待できます。
対応しているアレルギーは?
高い効果が期待できる「舌下免疫療法」ですが
現在、お薬として使用できるのは「スギ」「ハウスダスト」の2種類のみとなります
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スギ花粉症
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ダニによる慢性アレルギー性鼻炎
※治療開始のためには「スギ」「ハウスダスト」のアレルギーがあることの検査が必要です
お子さんにおすすめできる理由
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痛くない:
以前までは注射による免疫療法がおこなわれていましたが
痛みがあり続かない子が多くいました
「舌下免疫」痛みがなく子どもたちにも続けやすいです -
副作用が少ない
多くのお子さんに「舌下免疫療法」を行っていますが
適切な方法で開始、継続していけば
重い副作用は少なく、比較的安全に継続することができます -
子どもたちの生活の質向上
ハウスダストの鼻づまり、スギ花粉症はあきらめるしかない
と思ってしまっているお子さんも少なくありません
ハウスダストを克服したことで夜の寝苦しがなくなった
スギ花粉を克服することでお友達とお花見ができたなど
子どもたちの生活の質向上も期待できます
治療の流れ
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診察・検査
問診や血液検査で、アレルゲンを確認します -
初回の服用(初期投与)
アレルゲンを少量だけ舌下に投与し、体の反応を確認します
※この日は、院内で様子を見るので時間に余裕をもってお越しください(20-30分) - 1週間後に維持量へ
初期投与を1週間続けて大きな副作用がなければ
維持量に増量します -
毎日の内服(維持投与)
維持量の内服を継続していただきます(3〜5年程度の継続)
服用のしかた
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舌の下に薬を置いて1分間キープ。その後、飲み込みます
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飲み込んだ後5分間は、うがいや飲食は控えてください(服用後2時間は入浴、激しい運動は避けてください)
何歳からできるの?
基本的には5歳以上から治療可能ですが
舌下に薬を1分間とどめる必要があるためことや
服用後の飲水我慢、運動制限などを考えて
当院では6歳以上からの開始とさせていただいております
副作用は?
一時的に以下のような症状が出ることがあります。
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舌のかゆみ・腫れ(約10%の方にみられます)
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唇や喉の違和感
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吐き気や腹痛など
多くは服用後30分以内に起こり、1〜2ヶ月で軽くなることが多いです
上記のような反応が出ても継続可能なことが多いです
ごくまれにアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)が起こる可能性があるため、初回は必ず院内で服用していただきます
いつから効果が出る?
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スギ花粉症:治療開始後、最初の花粉シーズンから効果を感じる方が多いです(前年の6~8月に開始した場合)
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ダニアレルギー:3~6ヶ月後から徐々に効果が出てきます
3~5年継続することで、症状の改善だけでなく
薬中止後もスギやハウスダストに対する免疫が維持され
アレルギー症状が出づらくなります
当院での対応について
スギの舌下はスギ花粉飛散時期の開始は禁止されています
6~11月に開始することができますが、翌年のすぎ花粉症対策であれば6~8月の開始がおすすめです
現在、スギ花粉症に対する治療希望が多く、初回に使う薬が薬局で手に入らないこともあります
当院では、2025年7月の段階であれば「スギ花粉」「ハウスダスト」の治療開始が可能です
ご相談ください
治療を始めてみたい方、不安なことがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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