今年の梅雨は、日差しが強く夏日で、日焼け対策のご相談を多く受けてます。
お子さんの肌は大人よりデリケートで、紫外線の影響を受けやすく、しっかした紫外線対策が大切です。
今回は子供たちの日焼け止めについてお話ししたいと思います。
子どもへの日焼けの影響
子どもは大人よりも日焼け対策が必要です。
理由としては
【日焼けは皮膚トラブルの原因になる】
お子さんの肌は皮膚が薄く、保湿力が低く、汗やホコリなどの刺激を受けやすいです。
肌荒れや湿疹、アトピー性皮膚炎が夏場に悪化する原因もここにあります。
日焼けにより炎症が起きると、肌のバリア機能が弱くなり、肌の炎症がさらに起きやすくなってしまうのです。
そのため、紫外線による過度な刺激は避けることで、湿疹・アトピー性皮膚炎の悪化が予防できます。
日光を浴びる事でビタミンDを作るので、子どもに日焼け止めは必要ないとの話を聞くことがあります。
たしかに紫外線は、ビタミンDの合成・殺菌効果・新陳代謝の促進など、体に役立つ効果もありますが、
これらは少量の日光浴でも十分な効果が得られるので、過度な紫外線は避けたほうがいいのです。
日焼け止めを使ってもいい月齢・年齢は?
歩いて外出するようになったら日焼け止めを塗りましょう。
日光を浴びる事でビタミンDを作るので、赤ちゃんに強い日焼け止めはおすすめできません。
日焼け止め以外の対策として、
- ベビーカーのフードや日傘などのサンシェード
- UVカットの帽子や長袖の服(風通しの良いもの)
- 午前10時〜午後2時の強い日差しの時間帯を避けてお散歩
などがおすすめです。
どうしても日差しの強い場所に出る場合は、一時的に日焼け止めを使うことをおすすめします。
どんな日焼け止めを選べばいいの?
日焼け止めの効果の指標として、SPF値とPA値が表記されています。
SPF値は1〜50+、PA値は+, ++, +++, ++++の4段階となっており、
値が高いほど効果が高くなりますが、肌への刺激も強くなります。
短時間の外出であれば低い効果の日焼け止めで十分(SPF15~20、PA+くらい)ですし、
スポーツや海水浴など炎天下に長時間いる場合は、効果が高く耐水性の製品(SPF20~30、PA++くらい)を使用しましょう。
また、日焼け止めの成分は、紫外線散乱剤と紫外線吸収剤に分けられます。
紫外線散乱剤は、紫外線を散乱させることで皮膚に届かないようにするもので、塗ったときにやや白く残りますが肌への刺激が少ないことが特徴です。
一方、紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して熱エネルギーに変換することで皮膚外に放出する効果があります。
塗ったときに皮膚が白く見えない特徴がありますが、化学反応によって皮膚炎を起こす可能性があります。
子ども用と表記されている日焼け止めは紫外線散乱剤のみを含んでいるものが多いです。
「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル」と表示されているものを選ぶようにしましょう。
日焼け止めの塗る量と塗り方は?
日焼け止めを塗る量は、
顔の場合は、クリームタイプはパール粒1個分、液状タイプは1円玉1個分を顔全体にまんべんなく塗ってください。
腕や足に塗る場合は、腕や足の表と裏に1本線で日焼け止めを付けて、らせんを描くようにムラなく伸ばしてください。
参考:紫外線環境保健マニュアル2020
長時間外出する場合は、汗や汚れで効果が落ちてしまいますので、2-3時間おきに塗り直すようにしましょう。
※「ウォータープルーフ」と書かれていても、完全には落ちないわけではありません。2時間おきや、水遊び・汗をかいた後には必ず塗り直しましょう。
また、日焼け止めと虫除け剤を一緒に使用する場合は、日焼け止め→虫除け剤の順番で塗ってください。
日焼けしすぎたときの対応は?
「日焼け対策をしていたつもりなのに、気づいたら真っ赤になってしまっていた!」
そんなときはどうしたらいいでしょうか。
日焼けはやけどと同じ状態です。
まずは、冷たいシャワーや冷却材で赤くなった部位を10-20分ほど冷やしましょう。
十分冷やした後に、保湿剤で肌を保護します。
それでも赤みが強い、痛みがあるなどの場合は、ステロイド外用薬で炎症を抑える必要がある場合もありますので、小児科・皮膚科に相談してください。
これからの暑い時期、日差しとも上手に付き合って、夏の思い出をたくさん作ってください。
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